Koboで「自炊」した電子書籍を読む
電子書籍端末Kobo(コボ)で、「自炊」した電子書籍を堪能しましょう
2016年9月10日 更新
Koboで自分作成の電子書籍(「自炊」した書籍)を読む
楽天のKoboシリーズは、電子ペーパー(電子インク、e-ink)を使用した、長寿命で目に優しい電子書籍端末です。
Wi-Fi(無線LAN)を使うことで、楽天ブックスで電子書籍コンテンツを購入して、読むことが出来ます。
また大きな特徴として、自分で作成した(「自炊」した)書籍データをSDカードに入れて、かんたんに閲覧することが出来ます!
手持ちの本をスキャンして電子化する「自炊」の方法については、いろんなサービスや諸氏方々の解説があります。(下で少し書いてます)
Koboで閲覧する電子書籍データの基本として、書籍の各ページを、画像ファイル(JPEG・PNG)にした状態のものを使用します。
1冊分の画像データを、ZIP形式で圧縮してzipファイルを作って、拡張子をcbzに変更すれば完成です。
cbzファイルをSDカードのルートディレクトリに配置し、Kobo端末に挿入すると、書籍データを認識します。
・・・認識するはずです。おや、認識しない場合があるようですね。データの作成には、少しコツが要るようです。 長い前置きになりましたが、ここでは「Koboでなるべく認識する書籍データを作る」ツールを紹介します。
Koboは、市場の認識がイマイチなので、もう少し紹介します。
当方は、防水仕様・6.8インチの「Kobo Aura H2O」を使っています。お風呂で読書もできるらしい。
でも、別途購入したケースが防水ではないので、普段の読書を大画面で楽しんでます。
またとにかく電池が長寿命です!集中して1ヶ月ほど読んでも、まだ余るようです。
長距離旅行であっても、コンテンツさえあれば充分に時間を潰すことが出来ますよ。おすすめです!
防水仕様・7.8インチの「Kobo Aura One」も発売されました。
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Kobo電子書籍データ正規化バッチファイル
Kobo用の電子書籍データを正しく作成するには、いくつかの制限を回避しなければならず、コツが要ります。
ですが、そのコツを意識しなくても作成できる、Windows用のバッチファイルを用意しました。
- 事前準備
- ファイル圧縮解凍ソフト「7-zip」をインストールする。
圧縮・解凍ソフト 7-Zip
※C:¥Program Files¥7-Zip にインストールして下さい。(Program Files(x86) ではない) - 以下のバッチファイルをダウンロードする。(配置はどこでも良い。)
- Windows Vista・7・8・8.1・10用 : kobo_cbz_u8.bat ←右クリックして保存して下さい。
- Windows 2000・XP用 : kobo_cbz.bat ←右クリックして保存して下さい。
- (オプション)ファイル名リネームツール「Flexible Renamer」をインストールする。
Flexible Renamer
フォルダ内のファイル名を、連番にしたり出来る便利なソフトです。 - 作業フォルダ内に、書籍データを1冊ずつまとめる
- フォルダ
- LHA形式(.lzh)圧縮ファイル
- ZIP形式(.zip)圧縮ファイル
- RAR形式(.rar)圧縮ファイル
- 7Z形式(.7z)圧縮ファイル
- 作業フォルダをバッチファイルにドラッグ&ドロップする
- 出力フォルダにあるcbzファイルを、SDカードに入れる
- Koboで見てみる
例として作業フォルダ「マンガ」を作ります。
その中に書籍1冊ずつ、以下の形式でまとめます。
フォルダ名・圧縮ファイル名は、1冊であることがわかるように「(タイトル) 第xx巻」としておきます。
この際に、書籍の中の画像ファイルのファイル名には、全角文字・半角カナ文字・一部記号文字・スペース等は使用してはいけません。
ファイル名の修正には、上記の「Flexible Renamer」などを使用して、半角英数字のみのファイル名にしておいて下さい。
また、ファイル名はページ順に連番を付けておきます。
書籍データの準備ができたら、作業フォルダをバッチファイルにドラッグ&ドロップします。
変換処理が始まるので、「続行するには何かキーを押してください」と表示するまで待ちます。
変換処理が完了すると、「(作業フォルダ名)_cbz」という出力フォルダが出来ます。(例では「マンガ_cbz」)
出力フォルダ内に1冊ずつのcbzファイルが出来ているので、cbzファイルをSDカードのルートディレクトリ(一番上の階層)に入れます。
書籍データがKoboのライブラリに登録されていることを確認して下さい。
閲覧時には、画像の回転などを行う必要がある場合があります。
cbz→zipリネームバッチファイル
cbzファイルは元はZIP形式の圧縮ファイルです。
上記作業で作成した出力フォルダ(「マンガ_cbz」)を、以下のバッチファイルにドラッグ&ドロップすると、
中のcbzファイルを一括でzipファイルにリネームします。書籍データをPCで扱いやすくなります。
- Windows Vista・7・8・8.1・10用 : kobo_cbztozip_u8.bat ←右クリックして保存して下さい。
- Windows 2000・XP用 : kobo_cbztozip.bat ←右クリックして保存して下さい。
Koboの書籍データの制限と正規化
Koboの書籍データは、以下の通りに作成しないと、正しく認識しないようです。
上記の正規化バッチファイルは、これらの制限を回避するように作られています。
- ZIP方式=cbz書籍データファイル、RAR方式=cbr書籍データファイル
- 書籍データのファイル名は、日本語可、スペースを含んでも可。
- 書籍データ内には、フォルダがあってはならない。
→バッチファイル内で、フォルダを生成しないようにしています。 - 書籍データ内の画像ファイル名は、半角英数文字でなければならない。
→リネームツールなどを使用して回避してください。
制限と言ってもこの程度なのですが、なかなか認識しづらいものなのです。
Ubuntu用Kobo電子書籍データ正規化シェルスクリプト
Ubuntuで同様の処理が出来るシェルスクリプトも用意しております。
kobo_cbz.tar.xz
- sudo apt-get install p7zip-full unzip unrar lha-sjis python3
- 作業ディレクトリに、フォルダ・lzhファイル・zipファイル・rarファイル・7zファイルの形式で、1冊ずつの書籍データをまとめる。
- 作業ディレクトリに、kobo_cbz.sh・kobo_filenameclean.py・kobo_cbztozip.sh を配置する。
- cd 作業ディレクトリ
- ./kobo_cbz.sh を実行すると、cbzファイルが出来る。
- ./kobo_cbztozip.sh を実行すると、cbz→zipファイルに変換。
画像ファイル名の全角文字除去、UTF-8に厳密に対応、など、Windows版より少し高機能です。
自炊環境について
当方は、自炊サービス屋に足を運んでます。
- 持ち込んだ本を裁断する。
- 事務用の両面高速カラースキャナでスキャンする。
- スキャンデータをUSBメモリに入れる。
- 裁断した本は、値段が付けば売る、もしくは処分。
既に本棚2本分くらいの書籍やマンガを、サービスを利用することで電子書籍化しました。
おかげで本棚が不要になって、スッキリしてます!
でも、自炊作業には、裁断機・事務用スキャナ・処分の機材が必要になりますので、
自宅でやるには、スペースと少々の出費が必要になります。
裁断機は、少ない力でガッツリ切れる、なるべく大きなものが良いです。(自炊サービスでは電動の裁断機を利用)
裁断済みの書籍をどう処分するかをクリアすれば、自宅で自炊環境を揃えることも可能でしょう。揃えたい!
本の裁断は抵抗がある・・・という気持ちについては、割り切ったほうが良いです。
しっかり裁断してきちんとスキャン出来た方が、電子化した後でも綺麗に快適に読むことが出来ますよ!
スキャナは、安定したホッパー式(下から給紙)をおすすめします。数十万円しますが、事務用スキャナは高速でキレイです。
マンガは300dpiもあれば充分高画質で、単行本1冊1〜2分でスキャン出来ます。
マンガ・小説ともに「漢字のルビが読める」ことが目安になるでしょう。
非接触式(上からカメラで撮る)は論外、トップフィード式(上から給紙)は頻繁に複数ページが入って詰まってしまうので、おすすめしません。
活字をスキャンするOCR機能もあると便利ですね。